突然ですが、皆さんは現代文という教科についてどう考えていますか?
「センスがすべて」「勉強しても点数が上がらないから意味が無い」こういう風に考えていませんか?
確かに、現代文は数学などと違って明確な答えはありませんし、勉強量に比例して点数が上がるような教科でもありません。
しかし、他の教科と同じように勉強によって実力を伸ばせる教科です。
今回は、そんな現代文の勉強法について解説していこうと思います。
【はじめに】国語における現代文の優先度
現代文の勉強法を解説する前に、「国語」という教科全体の勉強戦略のアドバイスをしたいと思います。
国語の中には現代文、古文、漢文の3つの分野があります。
あなたが国語を安定した得点源にしたいと思っているなら、まずは古文と漢文に力を入れるべきです。
この2つは文法や単語を暗記して文章が読み解けるようになれば、問題自体は難しくありません。
古文と漢文は、努力が得点に結びつきやすい分野なのです。
一方で、現代文は、古文や漢文と比べて設問自体が難しく、「正しい解答」が何であるのかが分かりづらい分野です。
大手の予備校でも解答が分かれたりするほどです。
そのため、現代文は時間をかけても他の2つより得点が伸びにくいのが正直なところです。
時間の制約のある受験勉強で、現代文に時間をかけすぎるのはあまりオススメできません。
そのため、国語で点数を伸ばしたいなら、古文と漢文で安定して高得点を取ろうと勉強する方が確実です。
古文と漢文に不安があるなら、まず現代文よりも先にそちらの勉強をしましょう。
古文と漢文はある程度出来ていて、さらに点数を伸ばすために現代文の勉強をする、という戦略がオススメです。
- 国語の点数を伸ばしたいなら、まずは漢文と古文に力を入れる
- さらに点数を伸ばしたい場合に、現代文の勉強に時間を使う
そもそも現代文とはどのような科目か
そもそも、現代文とはどのような科目なのでしょうか。
入試で現代文が課されることにはどのような意味があるのでしょうか。
現代文の問題は次のようなプロセスで作問・回答されます。
①問題用の文章を用意する
↓
②作問者が文章を読んで理解する
↓
③作問者が問題を作成する
↓
④回答者が問題を解く
このようにして問題を作ることで、受験生が
・文章を(作問者が理解したのと同じように)理解する能力があるか
・理解したことを表現して採点者に伝える表現力があるか
を見ています。
つまり、この2つの能力を上げることが、現代文を勉強する、ということなのです。
現代文がどのような教科かわかったところで、この二つの能力を高めるためにはどのようにしていけばよいのか、一つずつ見ていきましょう。
「文章を理解する能力」を高める
「文章を理解する」とは?そのための勉強法は?
「文章を理解する」とは、「自分の意見を交えずに、文章で書かれていることだけを頼りに、筆者の伝えたいことを読み解く」ということです。
筆者の主張がどれだけ自分の考えと合わなかったとしても、試験中だけは「そうなんですね、わかりました。」という態度で臨みましょう。
当たり前のことのように聞こえますが、これは分かっていても実行するのが意外と難しいのです。
さて、文章の理解力を上げるためのおすすめの勉強法は、やはり
・入試問題(過去問)を解く
ことです。
日頃から新聞や本を読むことが現代文の点数アップにつながる、という人もいます。
しかし、入試の現代文の点数を上げる、という目的のみに絞って考えるなら、私は過去問を解くのが最善策だと感じています。
新聞や本を読むだけでは、ただ漫然と読んで理解度の確認もできないまま時間が過ぎてしまいかねません。
過去問を読んで、解いて、答え合わせをして、理解度を確認しながら進めていくのがいいと思います。
過去問のおすすめの解き方
せっかく過去問を解くのですから、最大限活かしたいですよね。
そのための、私のおすすめの解き方をお伝えしたいと思います。
①回答根拠となった部分に線を引く
現代文の問題ですから、どこかに回答の根拠となる部分があるはずです。
問題を解くところ時に、根拠にした部分があれば、そこには線を引っ張っておきましょう。
あとで見直しをするときに「目の付け所がそもそも間違っていたのか・・・」「根拠とする部分はあっていたけど理解の仕方が違った・・・」など、自分の回答を細かく分析することができます。
また、「自分の意見を交えない」という原則も、根拠に線を引くことで強制的に守れることになります。
線を引けば根拠の無い回答は書けませんからね。
②指示語が何を指示しているかを書き込んでおく
「それ」「あれ」などの指示語が出てきたら、その指示語が何を示すのかを、指示語の横に書いておいたり、指示語とその内容を線でつなげたりしておきましょう。
指示語をどれほど正しく理解できているかは、どれだけ文章を理解しているかに直結します。
大抵の参考書には、解答に指示語が指すものが何であるかを示しているので、自分の回答と見比べることで自分の理解度を測ることができます。
「表現する力」を高める
いくら文章が理解できても、理解できた、ということを回答を通じて採点者にアピールできなければ得点にはなりません。
そこで大事にしたいのが表現力・記述力です。
表現力を高めるためにオススメの方法を紹介します。
・過去問を自分で解いたものを先生に添削してもらう
自分の表現は自分ではなかなか良いか悪いかの判断がつかないものです。
自分では伝わっていると思っていても、他の人が見たら伝わらない回答だった、なんてことは普通にあります。
ですから、信頼できる先生に添削をお願いすることをおすすめします。
・数社の解答解説を見比べて解答要素が何かを考える
もし添削をお願いするのが難しそうな場合は、この方法をおすすめします。
国公立大学の過去問、特に旧帝大などの過去問は、赤本や青本のほか、河合塾(直近一年は難関大学を中心に28大学、それ以前は東京大学・京都大学のみ)、駿台(直近一年のみ18大学)、東進(無料の会員登録により185大学最大25年分)のホームページなどに解答がのっています。
それらの複数の解答を見比べて解答に必要な要素は何か、自分の回答に足りていない要素は何かを考え、自分の記述を添削していきましょう。
まとめ
今回のポイントです!
・現代文の問題では、「文章の理解度」と「表現力」が問われている
・文章の理解は、常に客観的に!
・解答根拠や指示語の内容を明確にしながら読んでみよう
・問題を解いたら、先生に添削をお願いしてみよう
現代文は実力がアップしたことを実感しづらい教科です。
しかし、現代文で何の力が問われているのかを理解し、力をコツコツと積み上げていけば、必ず実力がアップします!
がんばってくださいね!