周期表は、化学の基礎の基礎となります。
大学受験では、周期表の覚え方で有名な「すいへーりーべー…」だけを覚えるだけでは十分ではありません。
各元素の周期表での位置、元素の分類や性質も覚えておく必要があります。
この記事では、周期表の覚え方や元素の分類・性質、さらには原子半径についてまとめています。
周期表の重要知識をスッキリ簡潔にまとめたので、是非最後まで読んで下さい。
周期表とは
周期表とは、元素を原子番号順に並べ、性質が似ている元素が同じ縦の列に並ぶようにしたものです。
周期表の縦の列を族と呼び、左から1族、2族、、18族まであります。
同じ族の元素を同族元素といい、互いに化学的な性質がよく似ています。
一方、周期表の横の列を周期と呼び、上から、第1周期、2周期、、7周期まであります。
周期表の覚え方(大学受験で必要な範囲)
現在、周期表には100個以上の元素がありますが、大学受験をする上でこれらをすべて覚える必要はありません。
大学受験で必要な覚えるべき元素を以下に示します。
そして、赤字の元素は周期表での位置も合わせて覚えておく必要があります。
黒字の元素は、元素名と記号だけを暗記するだけで大丈夫です。
オススメの覚え方は、以下の6ステップに分ける覚え方です。
1~18族、1~6周期を書いておく。
原子番号1~20を、すいへーりーべーで覚えておく。
18族に希(貴)ガス元素(詳細は2-4へ)を書く。
He、Ne、Arの順。[ヘン(He)なね(Ne)ーちゃん歩(Ar)いてる]
一番左上から、「すいへーりべー・・」を書いていく。
その際、He、Ne、Arを基準にする。

2族を完成させる。
上からBe、Mg、Ca、Sr、Ba。[便(Be)利なマグ(Mg)カッ(Ca)プと皿(Sr)がバラ(Ba)バラ]

17族を完成させる。
上からF、Cl、Br、I。[ふ(F)っくら(Cl)ばり(Br)っといい(I)感じ]
金属元素と非金属元素(覚え方)
金や銀のように金属光沢を示し、電気や熱などをよく伝える、いわゆる金属の性質を示す元素を金属元素といいます。
一方、金属元素以外の元素を非金属元素といいます。
以下の周期表では、黄色部分が金属元素でそれ以外は非金属元素となります。
金属非金属との境界は、AlとSiを境に階段状になっているイメージで覚えておきましょう。
典型元素と遷移元素(覚え方)
1族~2族、12~18族の元素を典型元素(以下の図の白部分)といいます。
また、3~11族の元素を遷移元素(図の緑)といいます。
典型元素:周期表で1つ隣に行くと、性質が大きく変わります。【例:Al(金属)とSi(半導体)】。理由は、典型元素は1つ隣に行くと最外殻電子数が変化していくからである。
遷移元素:すべて金属元素となります。周期表で1つ隣に行っても、性質が似ています。理由は、遷移元素は1つ隣に行っても最外殻電子数がほぼ同じ(1or2)ためです。
最外殻電子数についての詳しい解説は、大学の内容になってしまうので、省略します。
族ごとの分類
高校で学ぶ特徴的な族は、以下の4つとなります。
これは全て重要ですので、性質も含めてしっかりと暗記しておいて下さい。
アルカリ金属
1族元素のうちHを除いたLi、Na、K、・・を、アルカリ金属元素といいます。
大学受験では、Li、Na、Kを覚えておけば大丈夫です。
アルカリ金属元素の主な性質は、以下の4つです。
②常温の水と激しく反応する
③炎色反応を示す
④酸素と反応して化合物を作る
詳細は、イオン化傾向や無機化学の分野を参照してください。
アルカリ土類金属
2族元素のうち、Ca、Sr、Ba、、をアルカリ土類金属元素といいます。
大学受験ではCa、Sr、Baを覚えておけば大丈夫です。
アルカリ土類金属元素の主な性質は、以下の4つです。
②室温の水と反応しやすい
③炎色反応を示す。
④2価の陽イオンは、SO42-やCO32-などと、水に溶けにくい塩を作る。
詳細は、イオン化傾向や無機化学の分野を参照してください。
ハロゲン
17族元素は、ハロゲン元素といいます。
大学受験では、F、Cl、Br、Iを覚えておけば大丈夫です。
ハロゲン元素の性質は、主に以下の3つです。
②単体はいずれも2原子分子(例:Cl2)
③HClなどのハロゲン化水素になる
詳細は、イオン化傾向や無機化学の分野を参照してください。
希(貴)ガス
18族元素を、希(貴)ガス元素といいます。
大学受験では、He、Ne、Arを覚えておけば大丈夫です。
希(貴)ガス元素の性質は、主に以下の2つです。
②常温で気体
原子半径にについて
多くの受験生は、「原子半径とは、原子核の中心から最外殻の電子までの距離」というイメージを持っているかもしれません。
しかし、厳密には違います。高校生のうちはこのイメージでいいですが、大学で学ぶより厳密な定義は以下のようになっています。
※この定義は、大学受験の範囲では覚えている必要はないので、飛ばしたい人は飛ばしてOKです
金属元素:単体固体中の最近接原子の中心間距離を実験で求め、それを1/2したもの。
非金属元素:同一元素の分子中における隣接原子間の核間距離の1/2(以下の図のイメージ)。
同族元素内での原子半径
同族元素(周期表の縦)内の原子半径は、下にいくほど大きくなります。
理由は、以下のイメージです。
②外側の電子殻に電子が入るようになり
③原子半径が大きくなる
同周期内での原子半径
同周期内(周期表の横)の原子半径は、同族元素のように、きれいな規則性はありません。しかし、高校で主に出てくる第2、第3周期では規則性があります。
第2、第3周期では、右に行くほど、原子半径は小さくなります。
理由は、以下のイメージです。
②また、右にいくと、中心の原子核の陽子数も増え、中心の”プラス”が増加する
③よって、右にいくほど、最外殻の電子は中心に引き付けられる。(プラスとマイナスの引力)
④原子半径は小さくなる。
以上をまとめると、以下のようになる。
まとめ
いかがだったでしょうか。
周期表は化学の試験では必須の知識となります。
暗記量が多くて大変ですが、語呂合わせもたくさんありますので、それらを活用して必ず覚えるようにして下さい。
化学の試験では、問題用紙の空白部分に周期表を毎回書くようにしておくと、様々な問題で役に立つのでオススメです。