置き字の見分け方が分からない!置き字とは何かから徹底解説!

置き字の見分け方が分からない!置き字とは何かから徹底解説!

漢文の「置き字」って非常に扱いづらい文法事項ですよね。

書き下し文を作る際につまずきやすいポイントでもあります。

そこで今回の記事では、置き字の役割から見分け方までを徹底解説します。

この記事で置き字についての文法事項が、ほとんど全て網羅できますので最後まで是非ご覧ください。

置き字とは

もともとはそれ自体に意味のある漢字

「置き字」とは、漢文を書き下す際に表記を行わない字のことですが、元になる漢文では文法上の意味を持っています。

受験生が難しいと考えるのも無理はなく、文献の中の置き字について、専門家の中で見解が分かれる場合もあります。

ただし、受験生が取り扱う置き字は意味が決まっているものばかりですのでご安心下さい。

書き下し文にすると送り仮名に意味が含まれてしまう

では、なぜ書き下し文に表記をしないという訓読のルールが存在しているのでしょうか。

それは、日本語の文法上、置き字の表す意味合いは、送り仮名に含まれるからです。

例をあげると、順接や逆接の意味を持つ『而』という置き字があると、書き下し文の送り仮名に『が』や『して』という助詞が含まれ、その助詞が順接や逆説の意味を含むため、置き字は不要となります。

文のニュアンスを知る上で大切

しかしながら、漢文を読む際には置き字は非常に大切です。

置き字の意味を一つ一つ押さえておくだけで、書き下し文にしなさいという問がなくても、流し読みしている間に文のニュアンスを理解し読解に役立てることができるからです。

主な置き字を押さえて見分けてみよう

順接と逆説の意味を持つ『而』

『而(じ)』という漢字は、順接と逆説の意味を持っており、置き字、接続詞、名詞の3種類の使い方があります。

見分け方は簡単で、まず以下の2点のポイントで接続詞かそれ以外(置き字・名詞)かを区別します。

  • 文頭についていたら接続詞として書き下し文に表記する
  • 文中にあった場合には、置き字か名詞として見る

この2点のポイントを押さえたあと、置き字か名詞かを確認するには、『而』の直後に名詞につく『に』や『を』という助詞が送り仮名として含まれているかを確認します。

含まれていた場合には名詞の『而(なんじ)』と読み、『お前』という意味で使い、書き下し文にも表記を行います。

様々な意味を持つ『於・于・乎』

『於(お)』・『于(う)』・『乎(こ)』には様々な意味があり、共通する意味を押さえたあと、それぞれの漢字が個別にもつ特殊な使い方を覚えた方が効率的です。

英語での前置詞的な使い方が多いですが、共通する意味を押さえればあっさりと覚えてしまえるでしょう。

共通する意味

『於・于・乎』は置き字として使われた場合に、以下の共通する意味を持ちます。

  • 場所・時間・対象をあらわす助詞の『に』などの意味を表す
  • 比較の文法で使用し、『~よりも』という意味を表す
  • 目的を表す助詞の『を』の意味を表す
  • 受け身の文法で使用し、『る』・『らる』と連携して使用し、『~される』という意味を表す
  • 起点を表す『~より』という意味を表す

『於・于・乎』が置き字として使用されている場合、どの意味合いを持つかを見分けるポイントは送り仮名にあります。

送り仮名がどのようについているかで判断を行いましょう。

『於』特有の意味と見分け方

『於』特有の意味を覚える際には、読み方を覚えると比較的覚えやすいです。

上記の意味合いで使う際には、『於(お)いて』と読み、送り仮名がつく点がポイントです。(『於ける』とも読む場合もあります。)

『おいて』という読み方は現代日本でも使用されており、ニュースなどで『場所+において』という使い方がされています。

現代日本語での使い方からも分かるように、『~で』と訳します。

『于』特有の意味と見分け方

『于』特有の意味合いで使用されている場合の見分け方は非常に簡単で、送り仮名の有無です。『于』に送り仮名が付いていた場合は、特有の意味合いで使用されており、その場合のみ書き下し文に表記します。

なお、これは文の流れを整えるための言葉で、他に何の意味もありません。そのため、日本語訳をする際には無視をしてもかまいません。

『乎』特有の意味と見分け方

『乎』特有の意味と見分け方は非常に複雑です。上記3つの漢字の中で一番特殊な意味が多いため覚えきってしまいましょう。

特殊な用例をする際の見分け方と読み方の違いは、以下の3点から判断します。

  • 文末にあれば、『か・や』と読み反語・疑問の助詞、もしくは『かな』と呼んで詠嘆の助詞を表す
  • 人名の直後にくれば、『や』と読み、『~よ』と訳す
  • 『として』などの断定の助詞が送り仮名に含まれていれば、『こ』と読み『~の状態で』と訳す

『乎』が文末に合った場合の見分け方は非常に難解で、文章のニュアンスを掴みとることが判断の基準になります。

反語の意味として使う場合には文章をより強調したい時に使用し、疑問の意味として使う場合には単純に問いの投げかけとして使用します。その他の文法事項も押さえることで、やっと判断が可能となります。

断定・強調の意味を持つ『矣・焉』

『矣・焉』は断定と強調の意味を持つ置き字です。これらも共通の意味を押さえて、別個の特殊な用法や意味を押さえると効率的に学習が進みます。

『矣・焉』の共通する意味

『矣(い)・焉(えん)』に共通する意味は前述した断定と強調を表す意味だけです。ただし、用法には違いがあるため、注意が必要です。

『矣』が置き字で使われる場合は、直前の語の送り仮名が終止形となります。

また、『焉』が置き字で使われる場合は、文末にのみ使用されます。

『矣』特有の意味と見分け方

『矣』の見分け方は非常に簡単で、名詞もしくは直前の動詞などの活用される語が連体形になっていたら詠嘆の助詞として扱います。

読み方は『矣(かな)』と読み、『~だなあ』と訳します。

『焉』特有の意味と見分け方

『焉』特有の意味合いでの用法は2種類で、読み方は3つに分かれます。

  1. 反語・疑問を表す場合には、読み方は『焉(いづ)くんぞ』もしくは『焉(いづ)くにか』となり、前者は『どうして』、後者は『どこで』という意味になる
  2. 名詞を表す場合には、『焉(これ)』と読み指示語となる

1の用法は見分け方が難しく、反語・疑問の漢文文法を知っているか知っていないかで大きな差ができるポイントです。
反語の用法では推量の助動詞である『ん(む)』+『や』が文末につきます。推量の助動詞が活用語の未然形につくことを押さえておくことがポイントです。
それ以外の場合は、疑問の用法となると覚えておくといいでしょう。

2の用法の見分け方は簡単で、送り仮名に『に』・『よりも』がついていれば名詞として読むことが確定します。

漢字にあるニュアンスを覚えておくだけでも読解の役に立つ

受験漢文のワンポイントアドバイスとして、文法事項を忘れてしまった場合の読解方法をお伝えします。

今回の置き字でも解説したように漢字には様々な意味が含まれます。置き字の用法は複雑なため忘れがちですが、各漢字の意味合いを覚えておくと、試験中に文法事項をド忘れしてしまった場合でも、その意味合いから正解を導き出す事ができるはずです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回の記事のポイントは以下の通りです。

  • 置き字にはもともと意味があるということ
  • 複数の意味をもつ同系統の置き字は、共通する意味を押さえることがポイント
  • 置き字の漢字の意味を押さえておくだけでも読解に役に立つこと

置き字で使われる漢字はその他の文法事項でも使われることがあります。

また、置き字の識別には古文の文法事項を使うこともあります。

非常に難しく感じるかもしれませんが、学習を進めるにしたがって関連性を見いだせる文法事項でもあるのであきらめずに頑張ってください。

この記事が受験生の方の一助となれば幸いです。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

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