運動方程式を基礎から解説!よく出る3パターンを確実にマスターしよう!

運動方程式を基礎から解説!よく出る3パターンを確実にマスターしよう!

物理の基本の「き」と言っても過言ではない運動方程式。

そんな運動方程式のイメージ、式の立て方について解説します!

ワニ塾長

式の立て方について、よく出る3パターンを
確実に理解できるように例題とセットで解説するよ!

運動方程式とは

力を加えると、加速度が生じる

ボールに力を加えて投げだせば、ボールは加速して飛んでいくし、
台車にぐっと力を加えれば、台車は加速して動いていく。

このような、「力を加えると、加速度が生じる」を表したものが運動方程式である。

運動方程式 \(F=ma\) の意味

質量 \(m\)の物体に、合計して大きさ \(F\) の力が加わったときに生じる加速度を \(a\) とすると、
運動方程式は以下のようになる。
\[F=ma\]

「合計して」と書いてあるのは、以下のように複数の力が働く場合、
\(F = 20\) ではなく、\(F = 20-5 = 15\) になるからである。(右を正方向と定義)

運動方程式の立て方 その1

複数の力が働く場合

1つの物体に複数の力が働く場合の運動方程式の立て方について解説する。

以下のように、質量10 kgの物体に、右向きに大きさ50 N、左向きに大きさ20 Nの力を加える場合を考える。

運動方程式を立てるスッテプは大きく以下の3つになる。

Step① 物体に働く力を図示する。

➡今回の場合は、上の図。※図示することで問題を整理できる。必ず書こう!

 

Step② 力の正方向を定義する。(問題文で定義されている場合もある)
※物体が動く方向が明らかな場合、そちらを正にした方が楽。

➡今回は、右方向に進みそうなので、右を正にする。

 

Step③ 働く力すべてを足し合わせて(符号も含めて) \(F\) とし、\(F=ma\) を立てる。

➡この場合、50 Nは、+50 Nで、20 Nは、-20 Nとして足し合わせる。すなわち、
\(F= +50 - 20=30\)。

よって、運動方程式は、
\(30=10a\)

例題演習

例題:質量 \(m\) の球に糸をつけて、張力\(T\)で上に引っ張り上げている。このとき、球の加速度を求めよ。

解説:
さきほどのStep①~③の手順で運動方程式を立てる。

Step① 物体に働く力を図示する。
➡今回の場合、球には、張力\(T\)と重力\(mg\)が働く。(下図)

Step② 力の正方向を定義する。※物体が動く方向が明らかな場合、そちらを正にした方が楽。
➡この場合、上に動いているので、上向きを正にすると便利である。(下図)


Step③ 働く力すべてを足し合わせて(符号も含めて)Fとし、\(F=ma\)の式を立てる。
➡張力は上向きなので、\(+T\)となり、重力は下向きなので、\(-mg\)として足し合わせる。
➡\(F=T-mg\)

よって、運動方程式は、\(T-mg=ma→a=\displaystyle \frac{ T-mg }{m}\)

運動方程式の立て方 その2

 2つの物体がつながっている場合

よく出題されるパターン2個目。
2つの物体がつながって一緒に運動している場合。

たとえば、以下のように糸につながっている物体A,Bを、大きさ \(F_{0}\) で引っ張る場合である。(摩擦はなし)

この場合の運動方程式の立式は、先ほどのStep①~③に従ってできる。
しかし、step③が少しだけ変化するポイントがあるので注意。

Step① 物体に働く力を図示する。
➡今回の場合、物体Bに働く\(F_{0}\)と、物体A,B両方に働く張力\(f\)である。

 

Step② 力の正方向を定義する。※物体が動く方向が明らかな場合、そちらを正にした方が楽。
➡この場合、右に動いているので、右向きを正にすると便利である。

 

Step③ 働く力すべてを足し合わせて(符号も含めて)\(F\)とし、\(F=ma\)の式を立てる。
ただし、AとBそれぞれについて運動方程式を立てる。
※AとBはつながって運動しているため、AとBの加速度は等しい。

➡よって、AとBの加速度を\(a\)として、運動方程式を立てると、

物体A:\(f=m_{A}a\)
物体B:\(F_{0}-f=m_{B}a\)

という具合に、2つ式が立つ。
これを連立するなどして、問題を解いていく。

例題演習

例題:たとえば、以下のように糸につながっている物体A (質量 \(m\) ),  物体B (質量\(2m\)) をつないで、\(T\)で引っ張り上げた。このとき、物体AとBの間の棒(質量は無視)が、Aを引っぱる力の大きさを求めよ。

解答:
(そろそろしつこくなってきたところかと思うので、簡略化しますが、)
さきほどのStep①~③に沿って、運動方程式を立てます。

働く力を図示すると、以下のようになる。

上方向を正にすると便利。

A,Bそれぞれについて、運動方程式を立てる。
※AとBはつながって運動しているため、A,Bの加速度は等しい。

よって、AとBの加速度を \(a\) として、運動方程式を立てると、

物体A: \(T-mg-f=ma\)・・①
物体B: \(f-2mg=2ma\)・・②

この2式を連立し、\(f\) を求める。
① + ②より、\(T- 3mg=3ma → ma=\displaystyle \frac{T-3mg}{3}\)

これを②へ代入。\(f-2mg=2\cdot\displaystyle \frac{T-3mg}{3} → f=\displaystyle \frac{2}{3}T\)

運動方程式の立て方 その3

2つの方向に分解する場合

最後に、2つの方向に分解する場合を扱う。

たとえば、以下のような”ななめ”(働いている力と進行方向が違う場合が多い)の運動を考える際に、
「2つの方向に分解」する事になる。

この場合、物体の加速度を求める場合は、
以下のように \(x,y\)方向に分解して考える。

そして、\(x、y\) 方向それぞれの運動について考える。

●まず、\(y\)方向について。
\(y\)方向には、物体は動いていないので、\(y\)方向の加速度は0である。

●次に\(x\)方向について。
\(x\)方向には、物体は動いているので、加速度は0になるとは限らない。
よって、詳しく運動を考えていく。

\(x\)方向だけを考えればよいので、
\(x\)方向に働く力のみを考え、運動方程式を立てる。

物体に働く力は、重力と垂直抗力の2つであり、\(x,y\)方向に分解すると以下のようになる。

\(x\)方向に働く力は、赤矢印\(Mg\sin θ\)のみ。

よって、\(x\)方向の加速度を\(a_{x}\)とすると、
運動方程式は以下のようになる。(※進行方向を正)
\(Ma_{x}=Mg\ sinθ\)

このように、2方向に分解して考える場合も出てくる

例題演習

例題:水平投射の運動について、運動方程式を考えることにより、水平方向の加速度と鉛直方向の加速度を求めよ。

解説:さきほどのように、「2つの方向に分解」する。
今回は、問題文で指示がある通り、水平と鉛直方向に分解する。

●まず、水平方向について。
水平方向には力が働いていない。

よって、物体の質量を\(m\)、水平方向の加速度を\( a_{x}\)とすると、運動方程式は、
\(m a_{x}=0 → a_{x}=0\)

よって、水平方向の加速度は0であり、水平投射の水平方向の運動は等速運動になる。

次に、鉛直方向について。
鉛直方向には、重力\(mg\)が働いている。

よって、鉛直方向の加速度を\( a_{y}\)とすると、運動方程式は、
\(m a_{y}=mg → a_{y}=g\)

よって、鉛直方向は、加速度\(g\)の等加速度運動になる。
つまり、自由落下運動になる。

このように、\(x,y\) 方向に分解し、それぞれの方向で運動方程式を立て、運動の考察をする問題も多い。

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