高校英語で初めてならう強調構文。英語の表現技法のひとつです。
長文の中で不意に出てくると中々見分けがつきませんよね。
そこで、今回の記事では、強調構文を基礎の基礎から徹底的に解説します。
この記事を読むと、強調構文の訳し方も分かるので是非最後までご覧ください。
強調構文とは
「強調構文」とは、文字通り、語句を強調する表現方法です。
基本的には、文の並び方を変えることで強調したい語を強調します。
日本語では、基本的に副詞や形容詞を使って強調します。
一方で、英語では、文章を並び替えることにより、強調したい語句を文章の最初に持ってきて強調することが多いです。
もちろん、それ以外にもある特定の語句を使うことで強調を行う方法もあります。
ただし、基本かつ受験生が躓きやすいのは、文章の並び順を入れ替えることによる強調構文です。
強調構文の基本文法について
強調構文の基本は、文全体を並び替えることによって成立します。
強調構文の基本『it is(was) ~ that …』
例文で確認してみましょう。
【例文】I called Tom yesterday.
【和訳】私は昨日トムに電話した。
この例文において、「トム」を強調したい場合はどうすればいいでしょうか?
強調構文の基本は、『It + be動詞 +『強調したい名詞』+ that + 残りの文』です。
この基本構文に当てはめてみましょう。
【トムを強調】It was Tom that I called yesterday.
【和訳】私が昨日電話したのは『トム』だ。
このように『It be動詞 ~ that …』として、強調したい語句を文の最初に持ってきます。
あとは、残った文章をthat以下に持ってくるだけです。
次に、「昨日」を強調してみましょう。
【昨日を強調】It was yesterday that I called Tom.
【和訳】私がトムに電話したのは『昨日』だ。
ここでは、「yesterday」を前に持ってくればOKです。
ただし、注意が必要なポイントがあります。
強調したい語句を前に持ってくるときに、冠詞や前置詞がついている場合はセットで前に持ってきます。
【例文】
I called Tom at the school yesterday.(私は昨日学校でトムに電話した。)
【学校を強調】
It was at the school that I called Tom yesterday.(私が昨日トムに電話したのは学校だった。)
このポイントさえ押さえておけば、基本構文は大丈夫でしょう。
『it is(was) because ~ that …』
また、特殊な事例として、次のような強調構文も存在します。
【元の英文】I like her because she is very friendly to me.
【和訳】私は彼女が私にとても親切なので、彼女のことが好きだ。
【because以下を強調する場合】
It is because she is very friendly to me that I like her.
【和訳】私が彼女のことを好きなのは、彼女が私にとても親切だからだ。
元の英文にbecauseが使われていて、理由(because以下の文)を強調したい場合は、少し特殊です。
「it is ~ that …」の強調したい語句のところに、「because以下の文」をそのまま持ってくる必要があります。
強調構文の見分け方
強調構文と形式主語構文の見分け方
強調構文と似た構文に、形式主語構文というものがあります。
この形式主語構文も『it is ~ that …』の形を取るため、ぱっと見は同じに見えます。
強調構文との見分け方は、『that以下が完全文 or 不完全文のどちらか』で判断します。
- that節が完全文 ⇒ 形式主語構文
- that節が不完全文 ⇒ 強調構文
完全文・不完全文の判断をするコツは、『it is ~ that』の「~」に入る語句を、that節の英文に組み込めるかどうかを確認することです。
- 〇 組み込める ⇒ 不完全文 ⇒ 強調構文
- × 組み込めない ⇒ 完全文 ⇒ 形式主語構文
実際に例文で確認してみましょう。
【強調構文】It was Tom that I called yesterday.(私は昨日トムに電話した。)
【形式主語構文】It is a nature that he came home.(彼が家に帰るのも当然だ。)
強調構文のthat節を見てみると、『I called yesterday』となっています。
電話をした相手が書かれていませんよね?
そのため、【不完全文=強調構文】となります。
また、強調構文の「Tom」をthat節に組み込んで、『I called Tom yesterday』と出来ることからも確認できます。
次に、形式主語構文のthat節を見てみると、『he came home』となっています。英文として成り立ってますよね?
そのため、【完全文=形式主語構文】となります。
また、形式主語構文の『a nature』は、that節内に組み込む場所がないことからも確認できます。
見分け方はこのようになりますので、覚えておきましょう。
基本構文以外の強調
助動詞do
【do + 動詞の原形】を使うと、動詞を強調することができます。
【例文】I do do it.
【和訳】わたしはきっとそれを行う。
【例文】he does talk a lot.
【和訳】彼はほんとうによく話す。
なお、助動詞doは、三人称・単数の場合はdoes、過去形の場合にはdidに変化します。
名詞を強調するvery
【the very + 名詞】を使うと、名詞を強調することができます。
【例文】This is the very berry.
【和訳】これはまさにさくらんぼだ。
このように、「まさに」と訳し、名詞を強調することができます。
『the』は、「this」「that」「one’s」でも代用できます。
再帰代名詞を使う
再帰代名詞『myself, herself, himself』等を文末に置くことによって、強調することができます。
代名詞や名詞の直後に置かれる場合もあります
【例文】I saw it myself.
【和訳】私は自分自身でそれを見た。
強調したい語の直後に置かれることもありますが、現代の英語では文末に置くことが非常に多くなっています。
強調構文の訳し方について
強調構文の訳し方を迷う受験生も非常に多く見受けられます。
強調構文の基本構文では、以下のように訳します。
【強調構文】it is A that B
【和訳】BはAである。
このように訳すと、ほとんどの場合上手くいくことが多いので是非実践してみて下さい。
また、基本構文以外の強調については、個別に覚える必要があります。
「very」が付いていた場合には『まさに』と訳すなど、自分の型を作ってしまうと簡単に訳せますよ。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回の記事のポイントは以下の通りです。
- 強調構文の基本は「it is A that B」、強調したい語をAに置く
- 特定の語句を使うことで強調することもできる
- 「BはAである」という訳し方が強調構文の訳し方の基本
強調構文は、長文読解で受験生を困らせる英文法です。
逆に、英作文では特に指定がない限り、使う必要はあまりないでしょう。
しっかりと基本を押さえれば、簡単に訳せるようになるのであきらめずに挑戦してみてください。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。