【古文の助動詞丸わかりシリーズ②】『む・むず・じ・べし・まじ』編

【古文の助動詞丸わかりシリーズ②】『む・むず・じ・べし・まじ』編

こんにちは!

前回に引き続き、今回も助動詞の解説をしていこうと思います。

今回は、『む・むず・じ・べし・まじ』について解説します!

ワニ塾長

古文の助動詞の第2弾!
覚えることは増えてくるけど、頑張って覚えよう!

「む」「むず」

活用

助動詞の活用表(む,むず)

意味

「む」と「むず」は、同じ意味を持ちます。

意味はたくさんありますが、「むいてかえす」で覚えましょう!

「む」:「む」「むず」の助動詞の意味は
「い」:意思(~しよう)
「て」:適当(勧誘) (~がよい)
「か」:仮定(~としたら)
「え」:婉曲(~ような)
「す」:推量(~だろう)

この中で「婉曲」というのが聞き慣れない用語で、よくわからないと思います。

「婉曲」とは、直接表現を避けて、遠回しに表現するための文法です。
例えば、「汚い部屋」は直接的な表現ですが、「汚い感じの部屋」と言うと少し遠回しな感じになりますよね?
この感覚が婉曲です。
ただ、基本的に、婉曲は「~ような」と訳せば意味が通ることが多く、そうでない場合は、無理に訳さなくても意味が通ることが多いです。
ひとまず、「婉曲」は「~ような」で訳してみて、不自然だったら訳さない、と覚えておきましょう。

「む」「むず」の助動詞の意味は、「むいてかえす」で覚えよう!

接続

「む」「むず」は活用形の未然形に接続します。

「む」「むず」は「意思」や「推量」、「仮定」など、実際にまだ起こっていないことに関する意味を持っています。

なので、「未然形に接続する」というのはしっくりくるのではないでしょうか。

意味の判別方法

「む」「むず」が先ほどの「(む)いてかえす」のどの意味になっているかを見分けるには、

「む」「むず」が文のどこに使われているか

をまず見ます。

文末→意思、適当(勧誘)、推量のいずれか
文中→仮定、婉曲のどちらか

になります。

※ただし、「~とて」や「~と言ひて」など、文中に句点(。)が打てるような時は、文末と考えられることに注意してください。

文末に「む」「むず」が使われている場合

このときは、主語が何かによって、意味が決まります。

主語が一人称(わたし)のとき  → 意思
主語が二人称(あなた)のとき  → 適当(勧誘)
主語が三人称(それ以外)のとき → 推量

あともう一つ覚えて欲しいのは、

「こそ……め」、「てむ」、「なむ」に含まれる「む」は、適当(勧誘)の意味

ということです。

文末の「む」「むず」が上記の方法で、ほぼ完璧に判別できると思います。

・文中に「む」「むず」が使われている場合

文中に使われている場合は、

「む」を訳さなくても意味が通じる  → 婉曲
「む」を訳さなければ意味が通じない → 仮定

となります。

「じ」

活用

助動詞の活用表(じ)

意味

「じ」は先ほど紹介した「む」とは真逆の意味を表します。

「じ」は、
・打消推量(~ないだろう)
・打消意思(~するまい)
の二つの意味を持っています。

接続

先ほど話したとおり、「じ」は「む」と対になるものですので、

「む」と同じく、活用語の未然形に接続します。

意味の判別方法

これも「む」と同じです。

主語が一人称のとき → 打消意思
主語が三人称のとき → 打消推量

となります。

とにかく、「じ」は「む」と対になる!!と覚えておけば大丈夫です!

「べし」

活用

助動詞の活用表(べし)

接続

「べし」は活用語の終止形に接続しますが、ラ変型の活用語が前に来た場合のみ、連体形に接続します

つまりウ段の音にくっつく、ということですね。

意味

「べし」は先ほど紹介した「む」のパワーアップバージョンと思ってください。

「べし」の意味は、「すいかとめて」で覚えましょう。

「す」→推量(~だろう)
「い」→意思(~しよう)
「か」→可能(~できる)
「と」→当然(義務)(~はずだ、~しなければならない)
「め」→命令(~しなさい)
「て」→適当(勧誘)(~がよい)

「べし」の意味は、「すいかとめて」で覚えよう!

意味の判別方法

①まず、『打消の意味を持つ言葉と一緒に使われていないか』を見ます。

もし打消の意味を持つ言葉と一緒に使われていたら、それは「可能」の意味を表します。

打ち消しを表す言葉と合わさって、中では「~できない」という「不可能」の意味になります。

②打消の言葉と一緒に使われていない場合は、「~はずの」と訳せるかどうかを調べます。

もし「~はずの」と訳すことができたら、「べし」は「当然」の意味になります。

③もしどちらでも無い場合は、主語によって意味を判別します。

これは「む」と同じで、

主語が一人称(わたし)のとき  → 意思
主語が二人称(あなた)のとき  → 適当(勧誘)、命令
主語が三人称(それ以外)のとき → 推量

になります。

主語が二人称の場合に、「命令」が加わっていることに注意です。「適当」か「命令」かは、文脈で判断します。

命令の意味の時の場合は、発話者が主人や貴族、仏、親など高貴な人であることが多いです。

「まじ」

活用

助動詞の活用表(まじ)

意味

「む」と「じ」が対になっていたように、「べし」と「まじ」も対になっています。

つまり、「まじ」は「べし」と真逆の意味を表すのです。

「まじ」は
・打消推量(~ないだろう)
・打消意思(~するまい)
・打消当然(~はずがない)
・不適当・禁止(~しないのがよい、~するな)
・不可能(~できない)
の意味を表します。

「禁止」は「命令」を否定した形、と考えれば覚えやすいです。

接続

「べし」と対になるので、「べし」と同じく

活用語の終止形に接続しますが、ラ変型の活用語が前に来た場合のみ連体形に接続します。

打消の意味をもちますが、未然形接続では無いことに注意です。

意味の判別方法

「べし」と同じようにと考えてもらえれば大丈夫です。

「まじ」は「べし」と対になる!!と覚えておきましょう!

まとめ

今回もボリュームたっぷりな内容だったと思いますが、いかがでしたか?

自分なりにまとめ直すなどして、頭の中を整理していきながら覚えていきましょう。

まだまだ、助動詞の解説は続きますので、次回にご期待ください!

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