【古文の助動詞丸わかりシリーズ①】『る・らる・す・さす・しむ・ず』編

【古文の助動詞丸わかりシリーズ①】『る・らる・す・さす・しむ・ず』編

今回解説していくのは、古文の助動詞です。

その中でも『る・らる・す・さす・しむ・ず』について解説します!

ワニ塾長

古文の助動詞はたくさんあって、覚えるのが大変だよね…
覚えるコツも紹介するので、頑張って覚えよう!

そもそも助動詞ってなんだ?

助動詞は、色々な語の後ろにくっついて、打消や断定など、意味を添える働きをする言葉です。

助動詞と似たものに「助詞」があります。助詞もいろいろな言葉に意味を添える働きをする言葉です。

しかし、助動詞は活用語(活用形によって語形が変化する言葉)で、助詞は活用しない言葉です。

また、助動詞には「接続」というものがあります。

この「接続」によって、助動詞の前にくる言葉の形が決められています。
(例えば、打消の「ず」の前には未然形の活用語が来る、と接続が決まっています。)

接続はややこしい…!と思ってしまうかもしれませんが、この接続が決められているおかげで、助動詞を簡単に判別できるのです。

助動詞を学ぶコツは、「意味」「活用」「接続」の三点をしっかり押さえること!

「る」「らる」

活用

接続

「る」は四段・ナ変・ラ変動詞の未然形、「らる」は四段・ナ変・ラ変以外の動詞の未然形 に接続します。

「る」は未然形の語尾がア段の動詞、「らる」は未然形の語尾がア段以外の動詞に接続する、と覚えておきましょう。

「らる」の「ら」でアの音を補っている!と覚えてもいいですね。

意味

「る」「らる」の意味は同じで、受身・尊敬・自発・可能です。

頭文字をとって「受可自尊(じゅかじそん)」と何回も唱えて覚えましょう。

じゅかじそん、じゅかじそん…

意味の判別方法

先ほど覚えた4つの意味、文の中でどの意味で使われているかを判別するための方法を紹介します。

①まず、「る」「らる」の後に打ち消しや反語の意味を持つ助動詞が来ていないかをチェックします

打ち消し・反語の助動詞がある場合は、「る」「らる」は「可能」の意味です。

打ち消しや反語の助動詞と合わさって、文の中では不可能の意味を表します。

可能の意味になることはほとんど無いと考えてもらって大丈夫です。

②否定の意味を持つ言葉が後に来ていなかったときは、ほかの3つの意味を検討します。

③「Aに…る(・らる)」という形になっているときは、「受身(~される)」の意味です

④「思ふ」・「ながむ(ぼんやりと物思いにふける)」などの心情語の後ろに「る」「らる」がついているときは、「自発(自然と…する)」の意味です。

自分から意識しなくても、心のせいで「自」然に「発」生する動作を表すため、心情語とくっつくのです。

⑤「思しめす」「仰す」などの尊敬語の動詞の後に「る」「らる」がついて、「思しめさる」「仰せらる」などの形になったときは、「る」「らる」は「尊敬(~なさる、お…になる)」の意味になります。

「尊敬」と間違えやすいのが、「る」「らる」の後に敬語が来る「~れ給ふ」「~られ給ふ」などのかたちです。

これらは、尊敬の意味ではありません。

尊敬の意味になるのは、「る」「らる」の『前に』尊敬動詞が来るときです。

「~れ給ふ」「~られ給ふ」の形は、「Aに…る(・らる)」という形になっているときは「受身」、心情語の後ろに「る」「らる」がついているときは「自発」の意味です。

「す」「さす」「しむ」

活用

助動詞の活用表(す,さす,しむ)

接続

「す」は四段・ナ変・ラ変動詞の未然形、「さす」は四段・ナ変・ラ変以外の動詞の未然形、「しむ」は活用語の未然形に接続します。

「す」と「さす」は兄弟のようなものです。

未然形の語尾がア段の動詞には「す」が接続し、未然形の語尾がア段以外の動詞には「す」にア段の「さ」を補った「さす」が接続します。

意味

「す」「さす」「しむ」の意味は、使役・尊敬の二つです。

現代語にも「~させる」という言葉があるので、使役の意味は覚えやすいと思います。

では、その「使役」をさせる人はだれでしょうか?権力を持っている人、偉い人、つまり昔の感覚だと「高貴な人」になります。尊敬するべき人なわけです。

なので、使役と尊敬が同じ助動詞で表される、と覚えましょう。

意味の判別方法

①まず、使役かどうかをチェックします。これは文脈でチェックするしかないです。

「Aに~さす(・しむ)」などの形があったりして、使役する対象がはっきり書かれていれば、確実に「使役(~させる)」です

しかし、はっきり書かれていないときもあります。

②文脈上使役ではなさそうなときは、「尊敬(お~になる・~なさる)」の意味で考えてみましょう。

「す」「さす」「しむ」が尊敬の意味で用いられるときには必ず下に尊敬語がくっついています。

また、文の主語が天皇や貴族などの高貴な人です。

「す」「さす」「しむ」の直後に尊敬語があるからと言って、かならずしも尊敬の意味とは限りません。

「す」「さす」「しむ」が尊敬の意味になるときに、必ず尊敬語を後ろに伴うだけです。

ですから、早とちりを防ぐためにも、まず使役の意味を検討し、その次に尊敬の意味を検討するようにしましょう。

「ず」

活用

助動詞の活用表(ず)

左側の活用は「ザリ活用」と呼ばれるものです。直後に助動詞が来るときに使われます。

意味

「ず」はまず先に意味を覚えましょう。

「ず」の意味は、「打消(~ない)」です。

接続

「ず」は活用語の未然形に接続します。

打ち消しているわけですから、実際には起こっていないことを表しているのです。

ですから、未然形接続です。

まとめ

古文の助動詞シリーズの第一弾は、これで終了です。

数が多く大変ですが、一つずつ整理して覚えていくしかありません。

ただ、一度覚えてしまえば、古文を得点源にできるでしょう!

これからも古文の助動詞を引き続き解説していこうと思うので、是非見てくださいね!

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