原子量って何?原子量の本質を分かりやすく解説します!

原子量って何?原子量の本質を分かりやすく解説します!

「原子量って、モル計算に使う原子の”質量”っぽい数字」と思っている方が多いと思います。

もちろん、その認識だけでも問題ないのですが、原子量の本質を理解しておくことも大切です。
※たまに入試でも問題になります。

ワニ塾長

原子量の本質を分かりやすくまとめました!
是非ご覧ください!

原子量とは?

たとえば、ヘリウム原子【He】の原子量は4であり、
He原子が1 mol( = \(6.0×10^{23}\) 個)集まったときの質量は、4 gである。

受験問題などを解く際には、上記の考えが分かっていればおおむね問題はない。

しかし、今回の記事では、原子量の厳密な定義を扱っていきたい。

あまり受験には出る事はないが、まれに出題されることもある。

まずは相対質量の理解が必要

原子量の話の前に、相対質量について理解する必要がある。

たとえば、1H、12C、14N 原子1つの質量(絶対質量)は、以下のようになっている。

見て分かる通り、非常に小さな値である。

この非常に小さな値を扱うのは不便だということで、「相対質量」というものが導入された。

それは、以下のようなものである。

ポイント①
12C原子1つの相対質量を12(端数なし)と定義。
つまり、\(1.9926×10^{-24}\, \mathrm{g} \) → \(12\) とする。
※相対質量はあくまで相対値なので、数値であり、”グラム”などの単位はつかない。
ポイント②
これを基準にして、その他原子の相対質量を求める。
例:1Hの相対質量なら、以下のように求める。
\begin{eqnarray*} (\mathrm{^{1}H}\ 1つの質量):(\mathrm{^{12}C}\ 1つの質量) &= &x : 12\\1.6735×10^{-24} :1.9926×10^{-23}&=&x:12\\x&=&1.0078 \end{eqnarray*}

このようにして求めた相対質量は以下のようになっている。
(その他の原子の相対質量が気になる場合は、教科書やインターネットを調べれば出てくる)

では、この相対質量と原子量の関係を見ていこう。

相対質量と原子量

原子には、同位体が存在するものがある。
さきほどの炭素(C)原子にも、12Cと13Cの2種類が存在する。

12Cの相対質量は12(定義)で、13Cの相対質量は13.003。
ただし、存在比は、12Cが98.9%、13Cが1.10% となる。

この存在比を加味した”平均”の値(下の式)が、原子量である。
\[12×\frac{98.9}{100}+13.003×\frac{1.10}{100}=12.011\]

つまり、炭素(C)の原子量は12.011となる。

このように、同位体を考慮(同位体がない元素は、相対質量=原子量になる)して、すべての元素で原子量が求められている。

基本的に原子量は覚える必要はない

入試問題では、原子量は、問題の最初に示されているので覚える必要はない。

また、問題を解いていくうちに、自然と原子量は頭に入ってくる場合がほとんどである。

無理に覚える必要はない。

例題演習

同位体と原子量その1

【例題】
銅原子には、相対質量63.0 の63Cuと相対質量65.0 の65Cuの2つの同位体がある。
存在比は、63Cuが70 .0%であり、65Cuが30.0%である。この時、Cuの原子量を求めよ。

【解説】
さきほどと同じように計算。

63Cuが70.0 %であり、65Cuが30.0%より、以下のように計算される。
\[63.0×\frac{70.0}{100}+65.0×\frac{30.0}{100}=44.1+19.5=63.6\]

よって、原子量は 63.6・・答え

同位体と原子量その2

【例題】
塩素原子には、相対質量35.0 の35Clと相対質量37.0 の37Clの2つの同位体がある。
塩素Clの原子量が35.5であるとき、37Clの存在比(%)を求めよ。

【解説】
37Clの存在比を \(x\) %とすると、35Clの存在比は、(\(100-x\)) %である。

これを使って2,1のように計算すると、原子量は35.5になるということは、以下の式が成り立つ。

\[35.0×\frac{100-x}{100}+37.0×\frac{x}{100}=35.5\]
計算していくと、、

\[35.0(100-x)+37.0x=3550\\2x=50\\x=25\]
よって、25%・・答え

原子量と分子量の関係

原子量は文字通り、O原子やH原子など、原子についての話。

一方で、分子量は、H2OやO2などの、分子についての話。

たとえば、H2Oの分子量は?と聞かれたら、、、

H2Oは、2つのHと1つのOからできているので、
H2Oの分子量 = Hの原子量×2 + Oの原子量×1

他にも、O2の分子量は、O×2なので、
O2の分子量 = Oの原子量×2

分子量は、分子を構成している原子の原子量を足しわせることで求まる。

※詳しくは分子量の記事

まとめ

いかかだったでしょうか。

原子量の本質をしっかり理解しておくと、問題として出された時にも対応できます。

逆に混乱してしまうって人は、「原子1molの質量」程度の認識だけに留めておきましょう。

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