速度と加速度とは?定義と求め方、v-tグラフまで徹底解説

速度と加速度とは?定義と求め方、v-tグラフまで徹底解説

加速・加速度は高校物理の基礎ですよね!
この分野をしっかり理解しているかどうかで受験問題が解けるようになるかが決まります。

そんな加速・加速度を誰でも理解できるように解説しているので、この記事を読んでマスターしましょう!

速度とは

速さと速度の違い

右(→)向きに速さ5 m/sで進んでいる物体Aと左(←)向きに速さ5 m/sで進んでいる物体Bがある。

AとBの「速さ」はともに5 m/sで同じである。しかし、AとBの「速度」は違う。理由は以下の通り。

速度とは、向きまで含めたものであるから。

具体的に言うと、AとBは向きが違う(A:右向き(→)、B:左向き(←))ので、「速度」は違う。

速度の求め方(例題演習)

それでは、実際に速度を求めよう。

例題:右(→)向きに速さ5 m/sで進んでいる物体Aと左(←)向きに速さ5 m/sで進んでいる物体Bがいる。右向きを正とし、AとBの速度を求めよ。

解説

この場合、右(→)向きが正(+)である。つまり、右(→)向きに速さ5 m/sで進んでいる物体Aの速度は、+5 m/s(※ + は無くてもOK)。

また、右が正(+)であるから、左(←)は負(-)。よって、左(←)向きに速さ5 m/s進んでいる物体Bの速度は、-5 m/s

ここまでの話を以下の表にまとめる。

加速度とは

加速度の定義

加速度の定義は以下のようになっている。

\[ \mbox{加速度}=\frac{\mbox{速度変化}}{\mbox{時刻変化}}\]

つまり、一定時間の中で、どのくらい速度が変化したかを表す。

たとえば、2秒間(s)で速度が20 m/sから30 m/sに変化した場合。

\[\frac{(30-20)\ \mbox{m/s}}{2\ \mbox{s}}=5\ \mbox{m/}\mbox{s}^2\]
のようになる。

加速度にも”プラス”と”マイナス”がある

たとえば、2 s間で速度が30 m/sから20 m/sに変化した場合。
\[\frac{(20-30)\ \mbox{m/s}}{2\ \mbox{s}}=-5\ \mbox{m/}\mbox{s}^2\]
のように、加速度がマイナスになる場合もある。

「加速」という文字が入っているがゆえに、違和感を覚えるかもしれないが、マイナスになることも頭に入れておいてください。

日常生活で言えば、自動車で走行中に、ブレーキを踏んで減速するとき、自動車の加速度はマイナスになる。

例題演習(基礎編)

例題:時刻t=1.0 sのときに、右向きに速さ10 m/sで進んでいた物体が、一定の加速度で運動し、時刻t=3.0 sのときに、左向きに速さ8.0 m/sで進んでいた。このときの加速度を求めよ。ただし、右を正とする。

解説
問題文の状況を図にすると、以下のようになる。

※物理では、問題文を、自分なりに簡単でいいので、絵や図にすることが重要である。問題文の整理にもなるし、図の方がイメージしやすい。

そして、加速度の定義:\(\frac{\mbox{速度変化}}{\mbox{時刻変化}}\)を思い出す。

まず、時刻変化 = 3.0-1.0 = 2.0 s
そして、速度変化について。右(→)が正より
t=1.0 sのときに、速度 = +10 m/s  [右(→)向きに速さ10 m/sだから]
t=3.0 sのときに、速度 = -8.0 m/s  [左(←)向きに速さ8.0 m/sだから]

よって、速度変化 = (-8)-(+10) = -18 m/s (※一般的に、変化 = 後 - 前)

よって、加速度の定義へ代入し、
\[\frac{-18\ \mbox{m/s}}{2.0\ \mbox{s}}=-9.0\ \mbox{m/}\mbox{s}^2\]
となる。

例題演習(応用編)

例題:速度 \(v_{0}\) で走っていた車が、一定の加速度で、時間 \(t\) だけ運動し、速度が \(v\) になった。このとき、物体の加速度 \(a\) を求めよ。

解説
問題文の状況を図にすると、以下のようになる。

2-3と同様に、加速度の定義:\(\frac{\mbox{速度変化}}{\mbox{時刻変化}}\)を思い出し、時刻変化と速度変化を求める。
時刻変化 = \(t\) 
速度変化 = \(v-v_{0}\) 
である。
(※今回は、問題文で与えられているのは、「速度」である。2-3の「速さ」とは違う。つまり、2-3のように、正負を考える必要がない。)

よって、加速度は、
\[a=\frac{v-v_{0}}{t}\]

 

となる。
ちなみに、これを以下のように変形すると、等加速度運動の公式の1つになる。
\[at=v-v_{0}\\v=v_{0}+at\]

つまり、加速度の定義を考えれば、公式を丸暗記する必要はない。

v-tグラフ

たとえば、一直線上を走っている車を考える。

v-tグラフとは、横軸を時刻\(t\)、縦軸を速度\(v\)として、この車の動きを記録したグラフを言う。

たとえば、以下のようなグラフである。

つまり、★は、時刻\(t=3\) sのとき、車は速度\(v=6\) m/sで運動していることを示している。

グラフの傾きがなぜ加速度なのか

この理由は、加速度と傾きの定義をすり合わせれば、分かる。

加速度の定義は、
\[ \mbox{加速度}=\frac{\mbox{速度変化}}{\mbox{時刻変化}}\]
傾きの定義は、
\[ \mbox{傾き}=\frac{\mbox{縦軸変化}}{\mbox{横軸変化}}\]
である。

変化という言葉が出てきている点で、同じような”におい”のするものだと察することができる。

さらに、v-tグラフの縦軸は速度。よって、縦軸変化 = 速度変化。

v-tグラフの横軸は時刻。よって、横軸変化 = 時刻変化。

以上より、
\[ \mbox{v-tグラフの傾き}=\frac{\mbox{縦軸変化}}{\mbox{横軸変化}}=\frac{\mbox{速度変化}}{\mbox{時刻変化}}\]

まさに、加速度の定義と一致する。よって、

 

v-tグラフの傾きは、加速度を表す。

 

例題演習(傾き)

例題:下図は、\(x\)座標軸上を運動する物体のv-tグラフである。\(t= 0\) sの時、原点にいるとする。このとき、 0 s \(≦ t ≦\)3 sの加速度、3 s \(≦ t ≦\) 9 sの加速度(単位はm/s2)を求めよ。

解説

\(t= 0\mbox{~} 3\) sでは、常に速度一定。よって、加速度 = 0 m/s2
(※v-tグラフの傾きは、\(t= 0\mbox{~} 3\)は0より、対応している)

\(t= 3\) sの時、\(v= 6\) m/s
\(t= 9\) sの時、\(v= -6\) m/s

よって、式は以下のようになる。

\[\frac{[(-6)-6]\ \mbox{m/s}}{(9-3)\ \mbox{s}}= -2\ \mbox{m/}\mbox{s}^2\]

よって、\(t= 3\mbox{~} 9\)では、加速度 = -2 m/s2となる。

v-tグラフの面積がなぜ距離を表すのか

これは、「v-tグラフの面積=距離」と覚えてしまっても良い気がする。理由の説明はやや難しく、積分の考え方を使うからである。ここでは、厳密な説明ではないが、ざっくりとしたイメージの話をする。

「面積」といえば、「縦×横(=長方形の面積)」が思い付く。ということで、ここではざっくり、
「面積」=「縦×横」とする。

v-tグラフにおいて、「縦」=「速度(m/s)」であり、「横」=「時刻(s)」である。よって、厳密ではないが、以下のイメージである。

「v-tグラフの面積」
→「縦×横」
→「速度(m/s)×時刻(s)」

<速度と時刻の単位に注目すると、>
→「(m/s)×(s)」
→「m」
となり、最終的にメートルになる。メートルは、ざっくり、距離(m)を表す。

よって、

「v-tグラフの面積」=「距離」

となる。

例題演習(面積)

例題: 下図は、\(x\)座標軸上を運動する物体のv-tグラフである。\(t\) = 0 sの時、原点にいるとする。以下の問いに答えよ。

① \(t = 6\mbox{~}12\) sのこの物体の移動距離を求めよ。

② \(t = 6\mbox{~}12\) sのこの物体の変位を求めよ。

③ \(t= 12\) sのとき、物体の位置を求めよ。

解説

① v-tグラフの面積=距離より、下の灰色部分の”面積”を求める。

左側の三角形と右側の長方形に分けて考えると、

3×6×0.5+3×6=24

になる。よって、答えは、24 m

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②  この問題では、「変位」を聞かれている。

変位とは、「向きと距離の両方を含めたもの」である。

「距離」は、①の24 mなので、さらに、物体の向きについて考える必要がある。
灰色の部分は、速度が常にマイナスである。よって、進んでいる方向は、負の方向であると分かる。

したがって、答えである変位は、-24 mである。

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③ まず、\(t = 0\mbox{~}6\) sのときの、物体の「変位」は、3×6×0.5+3×6 = +24 mである。(※\(t = 0\mbox{~}6\) sでは、物体の速度が正より、正方向に進んでいるので)

最初、この物体は原点にいるので、\(t= 6\) sのとき、物体は+24 mの「位置」にいる

\(t = 6\mbox{~}12\) sの「変位」は、②より、-24 m。よって、+24 mの「位置」にいた物体は、そこから、-24 m移動したことになる。

よって、\(t= 12\) sのとき、物体は+24-24 = 0 mの「位置」にいる

 

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